イラストでわかる自然資本
この記事のまとめ
- 自然資本とは、空気・土・水・山・森林・川・生物などなど、いわゆる「自然」と呼ばれるものすべて
- 会社は、自然資本があるからビジネスができている
- 会社が自然資本を大量に使っていることで、このままだと自然資本がなくなってしまう
- 自然資本をはかる方法として、自然資本会計・自然資本プロトコルが注目されている
目次
プロローグ:読者からリクエストがとどきました
リクエストうれしいですね。ありがとうございます。
では今回は「自然資本」についてじっくり探っていきましょう。
自然資本とは、いわゆる「自然」と呼ばれるものすべて
空気・土・水・山・森林・川・生物などなど、いわゆる「自然」と呼ばれるものすべて自然資本になります。
自然資本とは自然のこと
つまり自然と自然資本は同じ意味なんですね。
でも、どうして自然資本というあたらしいことばが出来たんですか?
でも、どうして自然資本というあたらしいことばが出来たんですか?
会社が事業をおこなうために使う自然のことを自然資本と呼んでいます。
「資本」ということばがあることで、自然が会社の資本のひとつであることをより強調しているんですね。
「資本」ということばがあることで、自然が会社の資本のひとつであることをより強調しているんですね。
あきら先生、「資本」ってどういう意味なんでしょうか?
よく聞くことばではあるのですが実はよくわかっていなくて…
よく聞くことばではあるのですが実はよくわかっていなくて…
えみさん、いい質問ですね。
元々は、会社がビジネスをおこなうための元手になるお金のことを「資本」とよんでいました。
しかし、お金があるだけでは商品はつくれないですよね。
しかし、お金があるだけでは商品はつくれないですよね。
商品をつくるためには、材料だったり工場だったりの「物」と、はたらく「人」が必要です。
この「人・物・お金」を資本とよびます。
この「人・物・お金」を資本とよびます。
人・物・お金
なるほど。資本ってお金だけの意味じゃないんですね。
そうなんです。
さらに、工場ではつくっている途中のものを洗ったり、冷やしたりするのに水を使いますよね。
使った水は川や海に流れていきます。
さらに、工場ではつくっている途中のものを洗ったり、冷やしたりするのに水を使いますよね。
使った水は川や海に流れていきます。
このように、会社は水・川・海などさまざまな自然をつかっているんですね。
そこで「自然資本」がでてきたわけですね。
そこで「自然資本」がでてきたわけですね。
会社は自然資本をつかっている
自然資本がヤバイ!?
でも、どうして自然資本がビジネスで注目されているんですか?
2013年に「リスクにさらされている自然資本」というレポートが出たんですね。
このレポートには、
このレポートには、
ますます希少性が高まる自然資本の過度な開発によりリスクが高まっている。気候変動や土地転換による損害など、生態系の財およびサービスの損失は経済的、社会的、環境的な外部不経済を生み出している…
( リスクにさらされている自然資本 PDF配布サイト)
などなど書かれているのですが、8文字にまとめると「自然資本がヤバイ」と書かれていたんですね。
し・自然資本がヤバイ!?
たとえば、世界の水不足は深刻です。
2030年には世界での水の需要が供給を4割上回るといった研究結果が出ています。
2030年には世界での水の需要が供給を4割上回るといった研究結果が出ています。
水の需要に対して供給が足りない
これはヤバイですね…。
また、最近ではうなぎが絶滅するかもしれないといわれています。
これは捕りすぎが原因といわれています。
これは捕りすぎが原因といわれています。
うなぎが食べられなくなるのは困りますね。
消えゆくうなぎ
世界経済の危機!?
うなぎが絶滅するとうなぎ屋さんも大変です。
なにしろ、うなぎがなくなってしまいますからね。
商売あがったりです。
なにしろ、うなぎがなくなってしまいますからね。
商売あがったりです。
うなぎ屋さんがつぶれてしまうのは悲しいですね…。
水不足の話にもどると、工場ではたくさん水を使うのですが、水が不足すると工場がうごかせなくなってしまうかもしれません。
工場がうごかせないと会社も儲からない…。世界経済の危機ですね…。
世界経済の危機
そうなんです。
そこで、危機にならないために、自然資本がビジネスで注目されてきたのですね。
そこで、危機にならないために、自然資本がビジネスで注目されてきたのですね。
自然資本をどうはかるの?自然資本会計と自然資本プロトコル
自然資本がヤバイことはわかったのですが、会社はどのように自然資本の問題に取り組んでいるんですか?
「自然資本会計」というものが経営に取り入れられています。
お金にすることで、比較がしやすくなります。
なにが大きい影響を与えているのか、なにがいちばん重要なのか、がわかりやすくなるんですね。
なにが大きい影響を与えているのか、なにがいちばん重要なのか、がわかりやすくなるんですね。
自然をお金に換算
お金に換算…。
自然って値段がついていないと思うのですが、どうやってお金に換算するんですか?
自然って値段がついていないと思うのですが、どうやってお金に換算するんですか?
えみさん、いい質問ですね。
じつはこれまでは会社ごとに独自のはかり方をしていました。
たとえば、公害の賠償金をもとに計算したり、独自の換算データーベースを作ったりなどなど、さまざまなはかり方があります。
じつはこれまでは会社ごとに独自のはかり方をしていました。
たとえば、公害の賠償金をもとに計算したり、独自の換算データーベースを作ったりなどなど、さまざまなはかり方があります。
そうなんですね。
それぞれの会社が独自のはかり方だと、ちゃんと自然資本を守れているかがわかりづらそうですね…。
それぞれの会社が独自のはかり方だと、ちゃんと自然資本を守れているかがわかりづらそうですね…。
あと、会社も自分たちではかり方を考えないといけないのは大変そうですね…。
そうなんです。
そこで2016年に「自然資本プロトコル」という世界共通の枠組みができました。
そこで2016年に「自然資本プロトコル」という世界共通の枠組みができました。
自然資本のはかり方について、取り組むべき9つのステップが書かれているんですね。
自然資本プロトコル( PDF配布サイト)
おお!これならわかりやすくなりそうですね!
自然資本会計は今後、会社のCSRレポートやIR報告書にどんどん出てくるといわれています。
要チェックですね。
要チェックですね。
この記事のまとめ
- 自然資本とは、空気・土・水・山・森林・川・生物などなど、いわゆる「自然」と呼ばれるものすべて
- 会社は、自然資本があるからビジネスができている
- 会社が自然資本を大量に使っていることで、このままだと自然資本がなくなってしまう
- 自然資本をはかる方法として、自然資本会計・自然資本プロトコルが注目されている
参考
- 自然資本 - Wikipedia
- なぜいま自然資本なのか?(前編) : 日経BizGate
- プーマ「環境損益計算書」の衝撃~先進企業は自然資本を経営にこう生かしている(後編) : 日経BizGate
- 環境省_平成26年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第3章第4節 グリーン経済を支える自然資本
- 生物多様性・CSRコンサルティングの株式会社レスポンスアビリティ 自然資本を測る - 生物多様性・CSRコンサルティングの株式会社レスポンスアビリティ
- 自然資本プロトコルとは何ですか? | CSRコミュニケート
- Natural Capital Coalition | 自然資本プロトコル日本語版 発表! – Japanese Translation of the Natural Capital Protocol
- リスクにさらされている自然資本(Natural Capital at Risk)
- 新しくて古い「自然資本」という考え方